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​田宮流居合

​Tamiyaryu iai

居合道横浜会

Iaido yokohamakai

田宮流とは

 居合の祖、林崎甚助重信の直門である田宮平兵衛業正により興された流派です。自ら工夫を重ね奥義を極めたと云われていますが、人物像については詳しく記されていません。しかし、逸話として現在でも語り伝えられていることは“長柄刀”についての一言です。

 業正は、「手に合うならば刀は長いほど有利である」と説いています。「柄に八寸の徳、見越しに三重の利」と長柄刀の長所を教えたことが「北条早雲記」 にあり、窪田清音の 「剣法神秘奥義」には、その意味が解説されています。田宮流は戦国時代の流儀でもあり、とにかく長柄を利した居合でした。業正を継いだのは嫡子の田宮流対馬守長勝で、この時代になって初めて 「田宮流」 と称したと云われています。
 当流はこの「紀州田宮流」が伊予西条藩に伝わり「田宮神剣流」として大成したもので、現在では十四代目妻木正麟元信により伝承されました。
 田宮流は、表之巻十一本(基本技)及び虎乱之巻十四本(奥居合)から構成されています。表之巻には、稲妻・押抜・除身・廻り掛・胸の刀・柄外・突留・白波・逃身・追立・嶺上があり虎乱之巻には、刀合切・水鏡・もぢり太刀・左鉄・右鉄・富士山・松風・夜嵐・陰転切・陽転切・月陰の太刀・飛鳥・妙意・村雲の各技があります。更に、流派の奥義(規矩準縄)が数多く残されています。
 当流は現在、小田原を中心に活動していますが、全国に愛好者が増え、各地に支部を持つようになりました。また、昭和六十三年九月に西条市無形文化財に指定されました。

               参考文献   妻木正麟 著   詳解 田宮流居合  剣道日本

 

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